歯科の治療 TREATMENT

当院の歯科診療の目的 TREATMENT PURPOSE

  • 動物の痛み、不快感や生活面での不便をなくす、または軽減すること

  • 美味しく、楽しく食べる生活を守るために、歯と口の機能を快適に長く維持すること

  • 生涯を通じて、歯周病予防・治療によって全身の健康につなげること

大切な家族であるワンちゃん猫ちゃんの、大事な「食べる、遊ぶ、楽しい!」を守るために、1頭1頭のライフスタイルや楽しいこと、それぞれのご家族が大切にしていることをよくお聞きし、生涯を通じて責任を持って、その子にあった予防や治療を、全身の健康状態をよく見ながら、提供していきます。

そのために、歯科顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた精密処置や歯科レントゲン検査などを用いながら、今後も最新の獣医歯科・人の歯科の情報・技術を学び続け取り入れていくことを約束します。また、ベビーからシニアまで動物さんたちと、ご家族が楽しく気軽に通える動物病院づくりを目指します。

PROCESS 当院の歯科診療の流れ

  • 01

    初診日

    • ・問診票の記入 (歯科問診票、初診問診票掲載)
    • ・診察室にて問診、身体検査(触診、視診、全身状態のチェック含む)
      ※ご希望に応じて麻酔前検査ではなく歯磨きレッスンの場合もあり
    • ・全身麻酔前の術前検査(血液検査、エコー検査、X線検査など)
    • ・仮診断・術前の検査結果に基づいた治療計画の説明
    • ・手術日の予約、それまでの注意事項などの説明
  • 02

    手術日の流れ

    • ・午前中にお預かり、点滴など(一緒に過ごしてもらうことも可能)
    • ・全身麻酔での検査・治療
      写真撮影、プローブ検査、口腔内精査、全顎の歯科X線検査、口腔衛生処置、抜歯など
    • ・退院(治療内容や検査結果、今後のケアなどの説明)
      ※基本的に当日退院
  • 03

    再診日(手術から約3−7日後)

    • ・麻酔後の体調チェック
    • ・口腔内診査・歯磨きレッスン
  • 04

    経過観察・追加治療

    • ・必要に応じて、2〜4週間ごとに歯磨きレッスンを継続
    • ・歯磨きができる方は2〜3ヶ月ごとの定期歯科検診
      歯周再生のためなどで、追加治療が必要な場合には、骨が再生する目安である2〜3ヶ月後に再度手術を実施。
  • 05

    定期的なメンテナンス処置・全身麻酔 ※要予約

    歯周病予防には毎日のホームケアと定期的な全身麻酔下でのプロケア(口腔衛生処置、人における歯科医院でのメンテナンス治療と同じ)の両輪が大切です。
    9割以上の成犬・成猫がかかるとされる歯周病。このようにほとんどの動物がかかる病気は他にありません。

    一生涯を通じて、ホームケアとプロケアで愛犬愛猫のお口を守っていく必要があります。ご家族自身が、歯科医院に年に何回か通われて定期メンテナンスを受けているのと同じです。
    日常のホームケアだけでは少しずつ歯周病リスクが上昇してきますので、良好な口腔環境を維持するには、1回の手術で終わりではなく、生涯を通じたメンテナンス処置が必要になります。

およそのメンテナンス間隔の目安

歯磨きや口腔環境が良好な子:1〜2年に1回
歯磨きが難しい子、歯周病が進行している子:3ヶ月〜1年に1回
※あくまで目安であり、その子の歯並びや食生活などによって変わります。
飼い主様とよくご相談しながら、メンテナンスの実施を決めていきます。

FOR REFERRED VETERINARIANS 紹介される獣医師の方へ

  • 当院では歯科の専門診療を行なっております。貴院での既往歴、検査結果、投薬内容などについて伺いたいため、飼い主様または貴院よりお電話、LINE、FAXなどでお問い合わせ・ご予約をお願いいたします。

    当院で行なっている処置の例

    • 歯科検査(プロービング、歯科用レンントゲン撮影、口腔内腫瘍生検)

    • 歯科予防処置、歯周病治療(軽度〜重度)

    • 歯周外科治療(フラップ術、口腔鼻瘻閉鎖、埋伏歯摘出、含歯性嚢胞摘出)

    • 破折歯などでの歯冠保存修復・歯内治療(抜髄根管充填、生活歯髄切断術、ヘミセクション、必要に応じてクラウン作成)、う蝕治療

    • 歯周組織再生療法(再生材料、骨補填剤などを使用)

    • 抜歯(乳歯または永久歯)

    • 猫の歯肉口内炎や犬の慢性潰瘍性口内炎治療(内科、外科)

    • 歯科矯正(エラスティックチェーン、インクラインプレイン、インクラインキャッピングなど)

    ※精密な治療のために、マイクロスコープを使用して実施いたします。
    ※口腔内の腫瘍や顎骨折の整復は、より適切な病院へご紹介する場合がございます。

MICROSCOPE DENTISTRY マイクロスコープを用いた歯科治療について

マイクロスコープ(歯科顕微鏡)とは?

マイクロスコープは、歯科専用の高精度な顕微鏡です。暗くて小さな犬猫の口腔内を、肉眼では見えない細部まで拡大し、鮮明に映し出すことができます。
これにより、より正確で安全な治療が可能となり、従来の治療と比べて大きなメリットをもたらします。
当院では、人の歯科治療と同等レベルのマイクロスコープを導入し、知識と技術を備えた獣医師が治療にあたっています。

  • マイクロスコープを使った歯科治療のメリット

    • 微細な異常を早期発見

      マイクロスコープを使うことで、歯周病、歯のヒビや破折、感染、粘膜病変など、肉眼では見逃しがちな問題をいち早く発見できます。早期発見・早期治療は、健康な歯を長く維持する鍵です。

    • 精密で的確な治療が可能

      根管治療や歯周治療、歯石除去など、細やかな処置が求められる治療も、マイクロスコープを使えば歯の状態を正確に把握しながら進めることができます。根管治療では、複雑な形状の根管の奥まで目視しての治療が可能になり、治療の成功率が向上します。

    • 必要最小限の侵襲で痛みを軽減

      拡大視野で診て口腔衛生処置や手術を行うことで、必要以上に歯や歯肉を削ったり切開したりするリスクが減り、動物への負担を最小限に抑えることができます。これにより、治癒も早く、術後の痛みや腫れも軽減されます。

    • 歯石・プラークの徹底除去

      歯周病の原因となる歯肉縁下の歯石や肉眼で見えづらい小さな歯石まで、マイクロスコープで細かく確認しながら確実に除去します。これにより、再発防止や長期的な口腔衛生の維持が期待できます。

    • 安心・納得の説明

      マイクロスコープは高画質の録画が可能ですので、治療中の様子や治療前後の変化を、ご家族の皆様も見ることができ、肉眼をはるかに超える情報を得ることで、治療内容をご理解いただきやすく、術後のホームケアにも役立ちます。

    マイクロスコープは、犬猫の歯科治療をより正確・安全・安心に進めるための強い味方です。大切なご家族の歯と健康を守るために、気になることがあればぜひご相談ください。

歯科X線検査の重要性 DENTAL X-RAY IMPORTANCE

犬や猫の歯の歯科検診は、肉眼的な検査だけではどうしても病気を見逃してしまうことがあります。一部の病変は歯内や歯肉の下で起こっていて、外からは見えないからです。
それではどうすれば隠れている病気や不快感のもとを見つけられるのでしょうか?実は、歯科に力を入れている動物病院にある、解像度に優れた歯科X線検査を行うことで、見つけることができます。
米国獣医歯科専門医協会(AVDC)のガイドラインやその他の研究によると、獣医師による肉眼的な検査では見つからなかった約30〜40%もの病変が、全身麻酔下での歯科レントゲン検査によって発見されたとのデータがあります。

通常のX線検査:全体の把握には向いていますが、大切な細部が分かりません
歯科X線検査:このように細部まで検査可能です

これらの病変は、通常の胸部や腹部を撮影するX線検査機器では見つけることができません。このように優れた能力を持つ歯科X線検査ですが、人と同じく、口腔内にフィルムを入れて撮影する必要があるため、動物のストレスや安全性の観点から、全身麻酔や鎮静をかけて検査する必要があります。

全身麻酔のリスクに不安を感じられるかと思いますが、当院では安全管理を徹底し、リスクを最小限に抑えられるよう努めています。ご不安なことがある場合には、よくご相談させていただきますので、お知らせください。

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